Poetly corner   詩   エッセイ  徒然なるままに ・・・・・


下記の詩はダウン症を持つ「高橋 圭史」さんが書かれた詩です 
あまりお話しはされませんが 心の中には たくさんの秘めた言葉があります
感動したので掲載させていただきました  仙台在住


せっかく生まれてきたのに・・・
せっかく生まれてきたんだから・・・
おこらないでほしい
やさしくしてほしい
むりですか
             圭史


おかげさまで  四十歳
きせきだね   きっと
ありがとう   ございます
             圭史




PWSの子を持つ母の詩(うた)  子の心を想う詩(うた) 

最近の息子の状況です
ある日の父と子の会話から
父 : 「何か嫌なことはないか?」
子 : 「ないよ」
父 : 「ストレスはないか?」
子 : 「ないよ」
父 : 「何か困ったことはないか?」
子 : 「ないよ」
父 : 「そうか よかったな」 
子 : 「うん」    
(これを聞いて両親は幸せな気持ちになります)
 時々、父親と息子の掛け合い漫才を聞いて笑っています(母)



1.優しさを ありがとう(友に捧ぐ)
                                  © SHOJI.E

優しさをもらってきたから    
   生きてこられた
偽りのない優しさを知って    
   生きる希望が湧いた
その優しさに触れたとき     
   心が震えるほどうれしかった
あなたがくれた優しさは     
   こぼれるほど満ち溢れていた



2.  寄り添い
      © SHOJI.E

私がつらかったとき  
     あなたは ただ黙って 
    そばにいてくれた
私が大変だったとき   
    あなたは ついてこいと 
    先を歩いてくれた
私が悩んでいたとき   
    あなたは  肩を押して  
   励ましてくれた
どんなにつらいときも  
   かならず  助けてくれる人がいた
霧と闇の中にいた私に  
   手を差しのべてくれた人たち


3、 出会いはみちびき
        © SHOJI.E

あなたに出会ったお蔭で
    優しさに包まれ 
   あたたかさが心に広がって・・・

あなたに出会ったお蔭で
   うちひしがれる 思いはしたけれど・・・

どちらも
   あなたに出会ったお蔭で
  今の私があるのです!


4、 こ こ ろ
        © SHOJI.E

こころって どこにあるの?
心も魂も 
       確かにあるのに 目には見えない
神さまは 
    一番確かで  大切なものを  隠しておられ
それが    
   一番大切なものと  教えてくれた


5、  岐 路
         © SHOJI.E

川の流れのままに 生きるも人生
 川の流れにあらがって 生きるも人生
必ず訪れる岐路の選択に  問われる人生


 6、 愛に生きた人 
          © SHOJI.E

マザー・テレサの残したものは 無償の愛
愛は 強要しないものと 教えてくれた
悲しみを知っている人は やさしさで包んでくれる


   7.   時の流れ
          © SHOJI.E

心に受けた悲しみは   
    日を追うごとに   増してくる
応えのない沈黙は   
  神が与えた   試練なのか
それは 忍耐と共に  
   心の静寂の訪れを  待つ時間(ひととき)

この世で 平等なのは  時間だけ
過ぎ行く 時の流れが  癒しを与えてくれる
それも   生きるあかしの  人生の1ページ 


   8.  踏まれるほどに
         © SHOJI.E

  出る杭は  打たれる
  出た杭は  打たれ強く なればいい   
  出すぎてしまった杭は  打たれない

   人生は いろいろな人との出会い 
   足もとに    転がっている  石だって
   踏まれても   蹴られても   投げられても 
   石は石として  存在する


 9.困難だからこそ 
         © SHOJI.E

人は 出来ない理由を見つけようと  
     必死の努力をする人がいる
しないための言い訳探しに時間かけ 
    だからダメだとあきらめさせようとする

なんにも 前に進まないね
とっても 大切なことなのに

ちょっと 心広げて 見回してみようよ
きっと  見つかる 子どもたちの 救いの道



10. チャンスは逃さない(のがさない)
            © SHOJI.E

   つらければ 泣けばいい!
   苦悩する人生に  無駄はないから

   立ち上がれ 
   逃すな チャンス

   めげず 
  くじけず  
  あきらめず
  くちびるかみしめて!

そうやって 人は 強くなるんだね


11. とかくこの世は
           © SHOJI.E

人は  真実をつかれると   怒りとなるらしい
怒りは 妄想を膨らませて   相手を敵とみなすらしい
我欲は 攻撃という手段を   選ぶらしい



12. 必然の巡りあい(友に捧ぐ)
            © SHOJI.E

苦しくて 悲しくて・・・ひとり沈黙と暗闇の中に 
              立ち尽くす
そんな私に あなたは そっと 近づき
私の話に  黙って うなずき ただ聞いてくれた

そんなあなたの やさしさが 病んでいた 
                私の心も身体も癒してくれた
痛みと悲しみの淵から 救われ 喜びが満ち溢れた
思いやりとやさしさと美しきこころを 注いでくれた人

ありがとう! 心からありがとう!



13. 差 別
                       © SHOJI.E     

「うちの子は 重度だから 絶対悪い事はしない」
何度聞かされてきたことだろう この言葉
何故かとても 悲しく聞こえる  
                                                2003年1月 


14. 祈 り  (原 詩)
          © SHOJI.E

眠れぬ夜に 闇の音を聞いていた
目を凝らし 闇を見つめていた  あの頃の日々

明けぬ夜はないと 人はいう
明けぬ方が良いと 幾度願ったことか

「夜よ 明けないで!」
願う その想いも虚しく 白い朝がやってくる

それらは すべて過去のことと
           言える日が来るのだろうか
PWSという病を負った  我が子
「もう安心していいんだよ」といえる
           あの子の世界があるのだろうか

そんな世界が  あったらいいね
作っていこうよ
弱くても 小さくても 幸せさがしの道
                  2003年1月29日


15. 苦労も人生の伴侶
         © SHOJI, E

むかしの人は 言ってたね
「若い時の苦労は買ってでもしなさい」と

私は これ以上耐えられなくて  倒れそうになったけど
いま こうして空を見上げている  自分に気がついた

人生に嵐が襲い来て 
波しぶきに    翻弄されていたけれど  
いつの間にか 静かな港へと 引き寄せてくれた

年を重ねた今も ときどき襲う悲しみに 
切なく 傷つくこともあるけれど
今は  幸せ数えて 生きている

こぼした涙の数だけ  苦難は乗り越えられる
不思議だね いつも私を支えてくれる人がいる
その人に  心から  ありがとう!
いつか 誰かに 私も そうありたい


16. 出 会 い は 必 然
         © SHOJI, E

あの人 この人との出会いのすべてが 必然だったなんて!

つらく 悲しく 寂しく 孤独が渦巻いていたとき 
どんな時でも 私を支え 導いて くれた人がいた
その出会いは 偶然ではなく  必然だったなんて!

生きる苦しさを  やっと  くぐり抜けたと思ったのに 
ほっとした 私の心の隙間に 入り込み 私を苦しめたあの人も
そんな人との出会いさえも  必然だったなんて!

嘆きの底に沈む   迷い人となった私に  
いつでも どこでも 私の心をとらえて 離さない人がいた
そんな出会いに   感謝して生きる


17. 蜘蛛(くも)の糸
                        © SHOJI, E

よろこび うれしさ ・・・ に溢れていたはずなのに
そんな中で待ち構えていたかのように
        私を谷底に突き落とした人がいた
その人は 偽りと憎しみの世界でしか 
         生きられなかったのね

苦悩の暗闇に沈む 私の目の前に 一本の細い 蜘蛛の糸
夜露に濡れ 朝日に照らされ 虹色に輝きながら 降りてきた
その糸に 手を差し伸べた私は  引き上げられた

人を裏切る苦しさより 
         裏切られた悲しみの方が いいらしい
         生きるって こんなものかもしれない
老いてなお 人生の 一幕が緩やかに上がった



       18. 優しさ
           © SHOJI.E

あなたが“嘘”を語る時 あなたの口から虚しさが漏れている
“悲”しいという文字は 心ここに非ずという嘆きなのか
“憂いという文字は   人の愛を感じたとき“優しさに”変わる


20.愛はブーメラン
         © SHOJI.E

 愛と優しさと思いやりは
          いくらばらまいても 減らない
むしろ 大きくなって 
          喜びとなって 舞い戻ってくる 


21. 秋の黄昏  
              © SHOJI.E

夕日が  私の背中を追いかける 図書館への道
裏も表も見せながら  落ち葉がひらひらと  風に舞っている
紅葉の イチョウも桜(さくら)葉(ば)も  冬支度を  急いでいるのか

木々は  自らの身を守るため 全ての葉を 落とし
来たるべき  雪に耐えよと 枝を伸ばして 立っている

自然の やさしさ 厳しさに 出会いながら 年輪を重ね 
人生の 四季は巡りくる



22. 君が涙とお別れした日
            © SHOJI.E

夕飯の支度をしていたとき
「おかあさん」と息子
「な~に」と私
息子は「ううん なんでもない」と言って 
はにかみながら 目を輝かせ ニコッと笑った

目の前の息子の 突然の ほほえみ
 どうしたの 今まで  君は いつも泣いていたのに
そうか 今 君を 理解してくれる人に 出会えたのね
1年半ぶりの 息子の笑顔! 

君を 見守ってくれる人に出会って そのやさしさに触れて 
君は 言葉にできないくらい うれしかったのね                
君の 笑顔は お母さんの 苦しみも 吹き飛ばしてくれるよ                
君は 幸せを感じ 心に 湧いた喜びに 言葉はいらなかったのね 
君と 一緒に その人に「ありがとう」って言おうね

“幸せは すぐ隣にあったのね”

昨日までの君は 言葉に出せず 訴えることもできず 
ただ 泣くだけだった 涙と汗で 顔も身体も びっしょりになって 
悲しくて 悔しくて 文句を言って 泣きながら 眠ってしまったね 
でも もう・・・・これで 涙くんたちと さようなら できるかな
ごめんね あの頃の お母さんは どうしてよいのか わからなかった

あれから どのくらいの年月が経ったのだろう
あの日 笑顔に変わった瞬間(とき)の君を なぜか しきりに思い出す
私が 年齢(とし)を 重ねたせいなのか


23.  わが子よ  
                © SHOJI, E

 もし わたしが
   何も しなかったら
    何も 起きなかった 
      何も 変わらなかった
        何も 得られなかった

   そして何より
         今の わが子の笑顔もなかった



24. 人生って けっこう 大変!
          © SHOJI, E


人生に思いもかけない 恐怖の瞬間の訪れをみることがある
こころ震え おののきながら 苦しさにもがく

涙 溢れるままに 泣くだけ 泣いたら それでいい

生きていれば  何とかなる ・・・ こともある
どん底から這い上がることも ・・・ きっとできる



25. 五つ葉のクローバー
             © SHOJI.E

「おかあさん 四つ葉のクローバーを探してくるね」と
小高き山の雑草生い茂る草むらで クローバーを探しているわが子

「おかあさん 見て! こんなにいっぱい摘んだよ」
手のひらには 五つ葉のクローバーがにぎられていた
その中に1本 四つ葉のクローバー

五つ葉のクローバーの ひとひら一片(ひとひら)を想う
1枚目は まさかの苦しみを 知った日々だった
2枚目は 懊悩の果て 絶望の淵に 立ちすくんだことも
3枚目は 屈辱の苦しみからは 人の愚かさが見えた
4枚目は 試練と沈黙と忍耐は 心を強くするための時間だった
5枚目の葉には 愛と信頼と夢と希望と未来が見えてきた!

霧も晴れ 闇も消え去り 一条の光に 導かれ
もう人生に後戻りはない 歩みも止めない
先はまだ遠くても あの日 描いた夢を果たすため
さあ 一歩を踏み出そう
私たちが探していた幸せのクローバーは  
        五つ葉だったのかも知れない


26. お互いさま
       © SHOJI, E

許しを請う人に
「お互い様だから」と
さりげなく言った人

人は 一人では 生きられない
人の 一生は 助けられて 支えられて 
        生かされているから
感謝して 生きることを 教えられた

人は 「おたがいさま」「おかげさま」で 生きていきたいね


27.   ぼくのある日
           © SHOJI.E

 ぼくは 新聞が好き いつも読んでいる おもしろいよ
 だって 好きなテレビ番組が 載っているから ビデオの録画もしなくては 
 新聞って 楽しいね 色々な字が覚えられるし 文章も書けるようになったよ
 そんな僕は忙しい・・・  でも いつも怒られる
「いい加減にしなさい  何時間観てるの  もうテレビはおしまい」って
 土曜日に 家に帰ると ぼくは 結構 忙しい!




28.シ モ ン の 想い出(愛する犬 ゴールデン リトリーバー)
                            © SHOJI. E

我が家には 心優しき犬がいる
名前をシモンと名付けられ
身体も心も大きいが
臆病なのはご愛嬌
番犬の頼りにならぬおひとよし
寝坊助なのがたまにキズ

我が家の順位を心得て それでも時々マイペース
可愛い娘にはふられても
懲りずに尻尾を振っていく

時々は男の中の男だと 売られたケンカを買ってみる
それはいけないことでした
ちらっと見上げる反省の横顔


29.   小さくても  幸せって  大きいね 
           © SHOJI, E

この世に生まれし瞬間(とき)の 
君の産声 消え入るように 遠ざかる
生命(いのち)の危機三度(みたび) 
神に守られ 生かされて 君は いま私のそばにいる

奇跡の回復を 目の当たりにした あの日々を想う 不思議な命
君は  いつも  みんなを 困らせていたけど
でも  それが  君と歩んできた道だったけど
それが 私を成長させてくれたんだね 

君とともに生きる人生を 神様は 私に教えてくれたんだね
まだまだ  母親として  足りないところだらけだけど
これからも  みんなに  助けてもらおうね


30.  新型コロナウィルス危機に思う
                © SHOJI, E

・見えず 聞こえず 忍び寄り 
       いのち脅かす ニュー・コロナ
・性質はステルスか 拡散はクラスターか 
        不安増す日々
・入国制限 スルーして  地球規模への 
        恐怖広がる
・終息の願いむなしく また変異する 
     人類存続危機に 未来への夢よ ついえないで
・お願いだから  もう静かにしてね 
     そして 一日も早く あなたと お別れしたいの
                      2020年3月7日 ~

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