令和3年6月13日 講演会後の質問のお答え

講演会後の質問のお答え  
※ 講師からのお答えと一部保護者の経験からお答えさせていただいております
 
質問1.PWSの自己理解をすすめるにはどのように障害理解に取り組んだらいいでしょうか。
回答 :障がい特性というよりも、ご本人さんの得意な事、苦手な事で区分けしてそれぞれの対応をご本人さんと対話したらどうでしょうか。得意な事、苦手な事は、ご本人さんだけではなく誰にでもあることなので。
回答:ある程度分かるような年齢になったら、PWSという病気であることを本人に伝えることで、詳細を理解できなくても、例えば、外食のときや食べ物を買う時にカロリーの多いものや甘いものを買おうとした時「あなたの病気は?」と聞   くと、「プラダー・ウィリー」というので「そんなにカロリーの高いものを食べてもいいの?」と言うと「わかった、じゃこっちにする」と言って控えてくれます。そして外食の時には「お母さんと同じものにしようね」というと「わかった」となります。母親と同じものであれば、嫌がりません。他の家族も母親と一緒のものを食べていました。
回答:自己障害を理解しているかはわかりませんが、行動に対して注意されると「僕は病気だから」と話します。私が「貴方はプラダーと言う病気なんだよ」と話してからは、自分に都合の悪ことがあると病気だから直せない」と言いたいのだと思います。

質問2.3歳上の兄をライバル視して、なんでも兄より先にしないと気が済まず、先にされると泣き叫び収集がつかなくなる。30分くらい泣くと何事も無かった様に元に戻る。その度、兄も気が滅入り家族みんな気が落ち込む…
回答:これはお兄ちゃんが先、これはあなたが先というふうに、行動を分けることは難しいと思われますので、最初の入り口として、ご本人専用のものをいくつか用意して、ご本人用のものと、それ以外のも のがあるという認知を学び、それ以外のものには、干渉しないということに結び付けていけたらと思います。
回答:小学生のころまでは、2~3歳ぐらいの年齢の近さだと「きょうだい」が理解できず、何でも自分優 先のようです。失敗すると人の所為にしたり、自分の思うようにいかないと、かんしゃく玉は突然爆発します。兄がいて自分は弟という家族間構成がわかるようになるまでかなり時間を要します。どこの家庭でもあるようですね。私は、時々「〇〇はお兄ちゃんだよ。あなたは弟だよ」と、機会あるごとに何度も言いました。そういえばご近所の方が「おにいちゃん・・・」とよびかけていたので、勘違いしていたのかと。でもいつしかわかるようになりました。なにごとにも時間がかかります。家族は本当に疲れ切ってしまいます! 我慢を強いられるお兄さんを大切にして下さい。大きくなればきっとお兄さんのやさしさがわかるようになります。
回答:行動分析をしてみて下さい。感情的になったり落ち着いたりというのはプラダー・ウィリー症候群の特性であると思います。時間はかかると思いますが、スピードも大事かもしれないけど正確性も大切と伝え続けるというのはどうでしょう?分析が難しければ,メモだけでも見えてくるかもしれません。お手伝いしますよ。家族が落ち込むというのはめちゃくちゃわかります。
 
質問3:たくさんあります。心配しかありません。PWS当人の体調、通院、利用事業所、家族のメンタル、親の介護、PWS本人が1番困っている.混乱していると理解しているつもりですが、それに付き合っていられる自身の器も小さく自責の日々です。具体的にはコンスタントに利用できる場がとても少ないことです.
回答: ご苦労されていることと文面から伝わります。ご家族だと、自分がどうにかしなければという思いや、何故家族なのに理解してあげられないのだろう等の行き場のない感情で自分を責めてしまうと思います。なので、福祉事業者に頼ることが番かと思います。コンスタントに利用できる場が少ないと のことですが、計画相談事業者に相談し、複数のサービス事業者と繋がることが良いと思います。
回答:本当につらいですね。それだけ大変な状況の中に置かれれば苦しいと思います。察しいたします。 時々限界を感じますね。その上、母親は自分の所為だと思ってしまいます。決してそうではありませんので、どうぞご自分を責めないでください。以前、作業所でいろいろなことがあった時、障がい福 祉課に行って相談したことが何回かあり、解決したこともありました。今は、上記の回答のようにいろいろな事業所に相談できるのであれば、行政においても大変な状況の方から優先していただけると聞いています。
 
質問4:コロナの影響もあり、相談支援員の方にお願いしていますが、作業所を見学する事もできない状態 一年以上続いています。どう行動していいのかもわからない状態でもどかしさを感じてしまいます。
回答:本当に、今このような状況のお悩みは多いと思います。ネット環境が整備している様なら、HP等で情報収集しておいてはいかがでしょうか。
 
質問5.身長も伸び、コロナ特例期間も終わるので我が子はもうすぐ成長ホルモン(GH)注射が終了します。成人期以降も体組成改善のためにGH注射の継続補助ができるようになにか取り組めることがあれば教えてほしいです。やはりPWS関係の大きな協会に加盟したほうが署名活動や陳情活動への協力、動向把握に役立つでしょうか?
回答: 日本にはいくつかPWS団体がありますが、団体によっては活動方針がそれぞれ違うと思います。団体がどういう方向で活動をされているのか、また家族の意見や要望を聞き入れているか・・などを問合せをされてはいかがでしょうか。もし、家族がそういった活動なりを熱心にされる場合、医師の中には後押ししてくださることもありますので、患者家族の熱心さが必要かと思います。お調べになると良いでしょう。成長ホルモン(GH)の中止後、今まで通りの体重などが維持できるかどうかが難しいところです。肥満を防ぐための食事・ 運動などで防ぐことが大事です。GH終了後、性ホルモンの投与もする場合もありますが、慎重にしていくとのことです。まずは少量から始めるということをお聞きしました。中には合わない人もいるようです。慎重にされていくのが良いようです。但し合えば効果はあるようです。GHについては、海外では成人後も継続投与している国もありますが、日本では身長のみの適用です。成人以降のGHに関しても医師からお話を伺い参考になさってください ただ、側弯症が進行するなどの副作用があるようなので万能薬ではないと言われる医師もいらっしゃいます。また男性ホルモン投与の場合は良く様子を見てするそうです。PWS患者に とって必要であるということであれば、患者家族の積極的な行動により 医師も支援して下さいます。 目的(要望)を明確にすること,陳情書など持参していくことなどで厚労省は陳情に応じて下さいます。陳情は1回で終わるものではなく。毎年行なっていくことでご理解いただけるようになるでしょう。
 
質問6.切り替えの難しさ、ほかの子との遊びができないこと
回答: ご本人用のタイムスケジュールを用意して、示してみたら如何でしょうか。切り替えの 難しさは 見通しがたたないことから、きていると思いますので。        視覚的に理解し易いように写真・カードのようなものがいいかと思います。
回答:年齢や立場にもよるかと思いますが、大人が仲立ちとなって積極的に遊ぶか橋渡しになるかどちらかです。
 
質問7.爪噛み、鼻ほじりで交流学級の子達に嫌われているそうで担任や療育で一緒に取り組んでいただい ていますが中々なおりません。ここ2年くらい爪切りはしていません。衛生的にも何とかならないかと・・・・
回答:  爪を切ると良いことがあると体験的に感じてもらえれば良いと思いますので、例えば、爪を切れたら、ご本人さんの好きなキャラクターのシールを貼ってあげるとか、喜ぶようにしてはいかがでしょうか?爪噛みや鼻ほじりについては、行っても良いスペースを設けるとかはいかがでしょうか。多くの子どもは、ひまだったりすると爪を噛んで短くなっています。
回答: うちの場合は小学生の頃指を舐めてその指で鼻の頭をなでるのでガビガビになりました。いつのまにかやらなくなりましたが、次には首の襟足付近をボリボリかいては血を出していました。それもいつに間にかなくなりました注意するとそこにかえって気がいくような気がします。
回答: 爪噛みについてはママチャームのバイバイチュチュという商品があります。4~5歳の幼児には効果がありました。自らやめなきゃと思わないとむずかしいです。

質問8.反抗挑戦性障害
回答: PWSについてだと、論争好きという特性からそう思われがちなのでしょうが、個人的には違うのではないかなあ、と思います。
回答: ※状況がわかりませんので、お答えは難しいです。参考としてお読みください
PWSの人も発達障害があるため認知機能が未熟ところがありますの で、親が言っていることと自分の言っていることの間に最初の段階からボタンの掛け違いの様に)行き違いやずれが生じてしまうことがあります。そうなるとかみ合いません。親も教師も支援員も「これだけ喋れるのだから言えばわかるはず」と思いがちですが、わかった風な顔をして返答していても理解できていないことが往々にしてあります。そんなことで子どもは心の中に不満がたまり「わかってくれない」「否定された」と思ってしまいます。
PWSの人の場合、表情からは感情が読み取れませんので、次は何をするのか理解する、先を読むというのは、本当に難しいです。となると「親の教育の悪さ・しつけのなさ・愛情不足・・・」などを言われてしまいがちです。PWSの特性として、咄嗟に衝動的に思いもよらぬ行動を起こすことがあります。常に、注意、叱責、拒否、理詰め、否定、グチられる、叱られる・・・では、ますます悪循環に陥ります。感情の爆発、かんしゃくを起こして大声を出し乱暴な行動に出ることがあります。反対にうつ状態になる人もいるようです。子どもが何か理不尽なことを言ってきても否定しないでまずは話を聞くことです。例えどう聞いても本人の方がおかしい場合がありますが、まずは話を聞いてあげることからだと思います。子どもは話を聞いてくれたと思うことで安心でき、信頼関係ができるようになります。あとで落ち着いたらゆっくり話し合う。これはPWSの人に限りません。子どもの話を最初から「間違っている」と否定・拒否ばかりされたら誰でも素直にはなれません。また、少しでも良いことをしたらほめる。ほめられればもっといい子になろうとします。そして、子どもにも「ありがとう。助かったよ。またお願いね」というと本当にいい子になるように頑張ってくれます。いいことをするつもりでも、時に失敗することもありますが・・・ 以前、発達障害の人のための勉強会で、二次障害になることもあると聞いたことがありますが、PWSの人に当てはまるのかどうかも良くはわかりません



食について(令和3年10月7日掲載)

「食」と「行動面」についての質問を多数いただきました 
・海外との比較(イギリス・スウェーデン・ニュージーランド)
・施設(グループホーム含め)
・食の管理
・冷蔵庫や戸棚などに「鍵」は必要な場合とは
・食欲と行動・・・・など

「PWSに特化した栄養管理士やその専門書があればと考えます」というご質問がありましたが聞いたことはありません。カロリーブックであれば、書店にありますので、参考にされてください。
PWSの人は、筋肉がない、エネルギー代謝が悪いことからも痩せにくい体質です。筋肉がつかずに脂肪がついて肥満になるようです。一般の人の半分から三分の一の量にするようにと言われていますが・・・「なんで自分だけみんなと違って、こんなに少ないの?」という明らかな不公平感は避けたいものです。

日本では? 海外では?

・日本では、2015年に発表された監修永井敏郎先生、発行ファイザー株式会社の
「プラダー・ウィリーの患者さんのためのカロリーブック」という小冊子があります。
その冊子には、2歳までは700Kcal/日が目安とされ、2歳以降は身長1cm×10Kcalとあります。成長が止まった後は1000Kcal/日にし、1500Kcal/日では太るとあります。
・イギリスの施設では、成人PWSの人は約1500 Kcal/日でした。
・スウェーデンのPWS専門施設では、成人で1000Kcal/日でした。

★ イギリスの事例(2005年当時):いろいろな障がいのある人たち20名位の男女が入所している広大な敷地の中にあるグループホームと市街地にあるPWS専門のグループホームが数か所ありました。
PWSの人の体重が100㎏~150㎏のPWSの人たちが施設に入所後、1500Kcalの食事で、男性・女性とも体重は半分以下の減量に成功したとのことです。食事の工夫として揚げ物はせず、蒸す・焼くなどに変えたとのことです。そして食堂での食事の順番は、PWSの人たちを先に食べさせ食事が終わると自室に戻り、他の人達の食事は見せない。また、一日のスケジュール表を見ると休む時間もないほどびっしり組まれている。「なんでこんなに?」と聞くと、ひまだと余計なことを考える(食べもの・その他含め)から、暇な時間を作らないという。女性も男性も驚くばかりの減量に、今まで着られなかった素敵な服を着られるという喜びがあり、行動面にも落ち着く様子が見られるようになったという。施設での最初の取り組みは、PWSのひとのすさまじい行動に初めての経験に驚いたが退所させるのではなく「PWSとは、どのような病気なの?」というところから始まり、学んで理解を深めたそうです。確かに過度の肥満は感情の抑制が効かなくなるようです。地域の人たちにも理解を得るためいろいろ考えお付き合いをして、良い方向に行ったとのこと。イギリス全土からPWSの人達が入所しているとのことです。
オーナーの方のやさしい笑顔と人格に触れ、事務局長の行動力のすばらしさを目の当たりにしました。
私たち一行を館内の案内をしてくれた2人のPWSの男性たちはとても楽しい人たちでしたが、お互いに「俺が、俺が案内する」と競い合っている姿はまさにPWSの人の特性ですね。

★ スウェーデンの事例(2005年当時):国内で唯一のPWS専門のGHです。広~いきれいな個室には、リビング、ミニキッチン、シャワー・トイレ、寝室・・と整っていました。入所者も職員も同じメニューで1000Kcal/日です。それを納得したうえで入所されるそうです。参考にメニューを見せて頂きましたが、ちょっときついかなという感はありました。GHで何かあれば必ずPWSの人たち全員で話し合って解決するという。入所者6人に対して職員数は15人位だったと思います。
★ 日本のある施設の事例:当協会のHPをご覧ください 施設職員の方のPWSの人へのノウハウから

 イギリスのように、一日3度の食事が1500Kcal以内であればそれほどの肥満にならないようです。管理がきちんとなされていることが重要です。
 過度の肥満の原因は三食以外に親の目の届かないところで大量に飲食するからです。又は、施設から帰省した折に、大量の飲食を許し太らせて施設に戻るという例もあります。孫がかわいいからと食べさせてしまう祖父母もいるようです。肥満になれば糖尿病になるでしょう。気を付けたいのは、スナック菓子、菓子パン類、ファーストフード類、砂糖が多い炭酸飲料などの高カロリー・塩分過多・糖質類の食べ過ぎは避けてください。

視覚と言葉で工夫する

 食事では、野菜を多く摂るように心がけて下さい。だからと言って野菜(サラダ)オンリーでは、だめですね。家庭で楽しく食べることが大切です。PWSの人は「視覚と言葉」で錯覚させることで満足感がえられます。好き嫌いなく食べられるPWSの人は、その点いいのかもしれませんね。
1, ご飯もおかずもふわっと盛り。見た目が大事な盛り方で満足感を!
2, 言葉も使いようです。「わぁ~ 間違えて入れすぎちゃった!」「今日は特別サービスね」「お兄ちゃんに内緒よ」「今日はいい子だったから、おまけ!」野菜ならおかわりOK!
3, 買い物をするときに、裏の表示を見て、カロリーや脂質・・の少ないものを。
4, 沢山の小皿におかずを少量ずつ入れて並べる。又は、ランチプレートに本人の分を入れてあげると、安心できるようです。
5, 食べてゴロゴロでは、間違いなく太ります。是非、散歩の習慣を。無理な運動をしなくても痩せます。犬がいたら一緒にお散歩できていいですね。
6, 口の周りにチョコレートがついていても、飴のにおいがプンプンしていても、ジュースが減っていても「絶対食べていない。飲んでいない」と言い張ります。それ以上に追及しても責めても絶対言いません。見えるところに置いた方がいけないのです。「見えない」「見せない」ようにしましょう。でも「お母さん〇〇下さい」と言ったら拒否せずあげてください。黙って取ることはなくなります。親も約束は守ること。―― 時間がかかりますが ―― 

※ 思春期以降、母親はもうこの子は大きくなったからと言って、お金を与え一人で外出
させれば、親(管理者)が見ていないという気持ちや見守りのない不安から食べてし
まいます。これは信頼関係ではなく放任と言えます。その結果、体重増加につながり
糖尿病になる人もいますし、更に重症化してしまう人もいます。
※ 常に、お財布(お金)などはきちんと管理してください。学習能力は高いです。

きょうだいとの関係&鍵は必要?

きょうだいとの食欲の差について
PWSの子はたくさん食べるし、きょうだいはあまり食べでくれないで親は心配します。
小さいときは結構むら食いですし、好き嫌いはあってもどこかで調節しているようです。食べなかった子も成長に従い結構食べるようになるので、ほとんど心配はいりません。
時に、きょうだいにはPWSの人がいない時に、内緒でサービスなども良いかと思います。
おいしい学校給食が後押ししてくれたり、今までたべなかったけどいつの間にか良く食べるようになったね、という日が来ますので、病気でない限りあまり心配はしなくていいようです。

台所、冷蔵庫、食品庫に「鍵」は必要?
それぞれの家庭で・施設でどのように管理ができているかによります。PWSの人たちの
食べたい気持ちは本能的なものです。食べ物が目の前にあれば、絶対食べたくなるのが脳からの指令だと思ってください。【視床下部の満腹中枢・情動の支障による】
家でも誰かが見守れる状態であれば、鍵はあまり考えなくても良いと思います。
今日はスーパーで安かったからと言って、買い置きをして食べられてしまっては何にもなりません。食べ物に関しては、とても鋭い勘が働くようです。冷蔵庫に何が入っているのか一瞬にして見ているようです。昨晩の残り物を忘れず教えてくれるので、食べ忘れがなくて助かります。親が背を向けた瞬間にパッと食べるという得意技もありますので、ご注意を!

鍵をかけて安心できるのであれば
施設でも台所が管理されていれば必要ありません。しかし家庭や施設によってそれぞれ事情が違います。誰も見ていないことがわかると台所に入り冷蔵庫や食品庫などを点検し食べてしまうでしょう。調理棚にある《砂糖》も気を付けてください。一袋全部食べた人もいるようです。見つかれば怒られるのはわかっている(か、どうかは疑問です)が、その時はそんなことは考えない、ただ食べたいだけ・・・見つけた人は当然注意したくなるでしょう。双方にとって良いことではありません。PWSの人を施設に預けたある母親は人手の足りない施設だったため、冷蔵庫に鍵を付けてもらって安心できたといいます。

★ ニュージーランドのグループホーム(GH)(2008年当時):入所者は基本個室
です。ダウン症の若い男性は離れの小さな部屋での独り住まい、自分で選んだというセン
スあるインテリア。また、対人関係が苦手というPWS男性は一戸建てを希望し3人の交
代職員による見守りの中、ゆったりと生活していました。親御さんとはパソコンで連絡を 
取り合っているとのことでした。生活自体は、PWSの一人一人の要望(養蜂をしたい。鉢植えをしてできたトマトを食べたい・・)を聞き入れていました。ミックスのGHには、2名の屈強な男性職員がキッチンなども厳重管理。台所・冷蔵庫・食品庫・窓・・・至るところに鍵が付けられている。理由は、一人のPWS男性は2~3日置きに鍵のナンバーを変えないと必ず解いてしまうそうです(すごい能力ですね!)。同じGHにいる別のPWS男性はそのようなことをしないおっとり型だそうです。家庭環境の違いもあるのだろう、と言われていました。おっとり型の男性のご両親のお宅を訪問してお話しを伺ってきました。

食と行動面について

 人は、誰でも食べ物で区別(差別)されたり、食べてはいけないと取り上げられたら
悲しくて、悔しくて、ひがみたくなりますね。PWSの人は不公平感に敏感です。何とか
して食べられる方法はないかと考え、実行して最悪の状態になることは避けたいものです。
せめて、年に一度の誕生日、クリスマス、お正月・・などはみんなと同じように楽しんで
食べさせて下さい。前後で調節すればよいですね。心が満たされていると、いつしかそれほ
ど食べることへの執着心は薄くなります。
「見守っているよ」「安心してね」「欲しいときは必ず言ってね」が安心できます。
「食欲と行動障害はほぼ同時に起こる」と言われています。いつも注意・叱責・拒否・詰問・叱られて・・・ばかりでは、気持ちも歪んでしまいます。「あなたは悪い子」と言われっぱなしでは、その通りになりますし、「いい子だね。役に立つね。ありがとう」と言われれば、嬉しくなってそのようになりたいと努力するようになります。それでも失敗も多いです。・・・「いつの日か」の心境で。根気と忍耐が養われますね。
親は常に子どもの不可解な行動に「なぜ なぜ」と葛藤し苦しみます。病気からくることですが、病気の所為にするのではなく、PWSについて正しい知識を得ることにより理解できるようになります。対処法が見えてきます。その中で子どもが何か一つでも「良いこと」をしたら、ほめることで良い方向に変化してきます。「ほめて損はありません」と、長年PWSの子を見守ってこられた施設の職員の方は言われます。
全般的に言えることは、子どもの気持ち(心)が満たされることで落ち着いてくれる時期が訪れるようになります。 ―― 時間はかかりますが ――
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 参考まで:
ご飯(軽く一杯分)        130gで200Kcal
 おにぎり1個のご飯の量は     100gで168Kcal
  おにぎり・大盛りごはん      150gで252Kcal
  食パン6枚切り          60gで158Kcal
  食パン8枚切り          45gで119Kcal
  パンを食べるなら、全粒粉など精白の度合いが低いものの方がヘルシーです。

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